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「琴線に触れる」の誤用『怒りに触れるという意味ではない』

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「琴線に触れる(きんせんにふれる)」の使い方・意味

 

「琴線」の意味

1.琴の糸
2.心の奥深くにある感動しやすい心情

「琴線に触れる」の正しい意味

○心の奥深くにある感動しやすい心情に触れて、感銘を受ける・与える。

「琴線に触れる」の誤った意味

×怒りを買う・不快な話題に触れること。

 

 「琴線(きんせん)」とは、文字通り琴の糸の事です。
 「琴線」の2の意味は比喩表現で、「心の奥深くにある感動しやすい心情」を「琴に触れて美しい音色を発すること」に喩えています
 ですから「琴線」に「触れる」がつくと、「心の奥深くにある感動しやすい心情に触れて、感銘を受ける」の意味になります

 「琴線に触れる」で一つの成句になり、この言葉は日々の生活で得られる小さな喜びではなく、素晴らしいものに触れて深い感銘を受けた時や与えた時に使います
 何かに触れて感動することならば、どんな事(誰かの言動や芸術など)にでも使えます。

 

 また「琴線に触れる」に、「怒らせる話題・不快な話題に触れてしまう」といった意味はありません。この誤った意味が広がってしまったのは、「逆鱗に触れる(目上の人の怒りを買うの意)」との混同が原因だと考えられます。

 

例文

 

○その音楽の素晴らしい旋律が、私の心の琴線に触れた

○恩師の親身な助言が琴線に触れたので、久しぶりに泣いてしまった。

×私の不用意な一言が、彼の怒りの琴線に触れてしまった。

×彼の人を小馬鹿にした態度が琴線に触れたのだろう。先生はついに大声を張り上げた。

 

類語・対義語・「怒りを買う」の言い換え語

 

類語

感じ入る・感動する・感銘を受ける・心が揺さぶられる・心を打たれる・心を揺さぶられる・心に刻む・心に染み入る・心に響く・魂が震える・胸がときめく・胸に響く・胸を打つ

対義語

感じ入る・感動する・感銘を受ける・心が揺さぶられる・心を打たれる・心を揺さぶられる・心に刻む・心に染み入る・心に響く・魂が震える・胸がときめく・胸に響く・胸を打つ

「怒りを買う」の言い換え語

怒りに触れる・角が立つ・気に障る・気分を害する・逆鱗に触れる・激怒させる・癪に障る・反感を買う・不興をこうむる・ひんしゅくを買う・憤慨させる

 

国語に関する世論調査

 

 平成27年度の世論調査では、「心の奥深くにある感動しやすい心情に触れて、感銘を受ける」の意味だと思っている人が38.8%、「怒りを買う・不快な話題に触れてしまう」の意味だと思っている人が31.2%でした。
 平成19年度の調査より、正しい意味を選んだ人が1%増えて、誤った意味を選んだ人が4.4%減るという結果になっています。

 「分からない」と答えた人も多く、その割合は平成19年の調査では24.6%、平成27年の調査では21.8%となりました。

 

語源・由来

 

 中国「周」の時代の故事が語源とされています。

「君が琴を聴く耳は私の心の中とそっくりだ」『列子・湯問第五』

 伯牙(はくが)という琴の名手には、鐘子期(しゅうしき)という友人がいました。鐘子期は、伯牙が奏でる琴の音を聞いていただけで、その曲に込められた心情や趣意を理解したといいます。
 そうした琴の音色に共鳴・感動した様子から、「琴線に触れる」という言葉が生まれました。

 

まとめ

 

まとめ

・正しい意味は、「心の奥深くにある感動しやすい心情に触れて、感銘を受ける・与える」

 

・誤った意味は、「怒りを買う・不快な話題に触れること」

 

・何かに触れて感動することならば、どんな事(誰かの言動や芸術など)にでも使える

 

・類義語は、「感動する・感銘を受ける・心を打たれる・魂が震える・胸を打つ」など

 

・対義語は、「飽きる・心に響かない・馬鹿馬鹿しい・無関心・無感動」など

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