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皮肉と嫌み(嫌味)の違いを簡潔に解説

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「皮肉(ひにく)」と「嫌み(いやみ)」の意味・使い方

 

皮肉の意味

1.皮・肉。からだ。
2.うわべだけなこと。うわべだけなさま。皮相
3.わざと反対のことを言ったり、意地悪く遠回しに非難をすること。また、そのさま。あてこすり。
4.思い通りにならず、ぐあいが悪いこと。また、そのさま。あいにくなさま。

嫌みの意味

1.人に不快感を与える言動。人に不快感を与えるさま。皮肉。
2.きどっているさま。いやらしいさま。

 

 

 「皮肉(ひにく)」の非難は遠回しな表現で使います。この言葉に「直接的に非難する」という意味は含まれていません。
 「皮肉」は擁護する・褒めるように貶したり、反対の事を言って間接的に非難したりする使われ方が多く、婉曲な表現なので言われてすぐに気づかない事もあります。

 

 一方の「嫌み(いやみ)」は、「人に不快感を与える直接的な言動」と「人に不快感を与える遠回しな言動」の両方の使い方ができます。
 前者は言動の後にすぐ「嫌み」だと分かる、ストレートな表現が多いです。

 

 

 また、「皮肉」の「遠回しに非難する」という意味は、本人が意図して発言をする時だけに使います。
 「嫌み」の「人に不快感を与える言動・さま」という意味も、意図的に使われる事があります。しかし、本人が意図していなくても周囲から「嫌み」だと受け取られる場合があり、発言だけでなく行いも意味に含まれているのが「皮肉」との違いです。

 

 「思い通りにならず、ぐあいが悪いこと。また、そのさま」の意味は、「皮肉にも~」という形でよく使われます。この意味は「人生とは皮肉なものだ」のように、人以外の対象にも使われるのが特徴です。
 「皮肉」の「皮・肉。からだ」「うわべだけなこと・さま」の意味は殆ど使われなくなったので、日常会話では意識しなくていいでしょう。
 「皮肉」は「嫌み」と違って、的を射た意見・知的な冗談・風刺として用いられる事があります。

 

 

 「嫌味」「厭味」は当て字で、「嫌み」「厭み」が正しい漢字表記です。

 

「皮肉」と「嫌み」の例文

 

「皮肉」の例文

 

よく遅刻するクラスメイトが教室に入ってくると、教師が「今日はお早い登校ですね」と皮肉を言った。

日曜日に接待のゴルフに行こうとしたら、「ああ、休みの日にもお仕事頑張りますね」と妻に皮肉を言われた。

皮肉にも、警察官だった○○が彼の元部下に逮捕された。

 

「嫌み」の例文

 

この忙しい時期に定時で上がるの?

彼女は私を見てすぐに、「服は可愛いんだけどね~」と言って笑った。

あれだけ丁寧に教えてあげたのに、何でそんなに仕事ができないの!?

 

「皮肉」と「嫌み」の言い回し

 

「皮肉」の言い回し

 

 下記の言い回しは「わざと反対のことを言ったり、意地悪く遠回しに非難をすること」の意味で使います。

 

・皮肉を言う
・皮肉が効く
・皮肉る(「皮肉って」「皮肉った」の形でもよく使われる)

 

 下記の言い回しは、「思い通りにならず、ぐあいが悪いこと。また、そのさま」の意味で使います。

 

・皮肉にも

 

「嫌み」の言い回し

 

 下記の言い回しは、態度や言動が悪いさまに使います。

 

・嫌みたらしい

 

「皮肉」と「嫌み」の類義語

 

皮肉の類語

風刺・当て擦り・当て付け・アイロニー

嫌みの類語

意地悪・中傷・誹謗・悪口・毒舌・ばり雑言・風刺・当て擦り・当て付け・アイロニー

 

「皮肉」と「嫌み」の語源・由来

 

「皮肉」の語源・由来

 

 中国禅僧の達磨大師仏教用語「皮肉骨髄(ひにくこつずい)」が「皮肉」の語源です。
 達磨大師は4人の弟子に禅に関する質問をして、その答えを聞きました。そして「我が皮を得たり」「我が肉を得たり」「我が骨を得たり」「我が髄を得たり」と言い、それぞれの回答に優劣はないと全員を合格にしたといいます。

 

 ですがいつしか「骨と髄は物事の本質を理解していること」を示すが、「皮と肉は物事の本質を見極められないから、理解も得られていないこと」といった別の解釈が広まっていきました。そして「皮肉」の言葉だけが残り、欠点などを指摘する意味で使われるようになったといいます。

 

「嫌み」の語源・由来

 

 動詞「いやむ(嫌がるの意)」が、時代とともに「嫌み」という形に変化しました。

 

まとめ

 

ポイント

・「皮肉」の非難は遠回しな表現で使い、「皮肉」に直接的に非難するという意味はない

 

・「嫌み」は、「人に不快感を与える直接的な言動」と「人に不快感を与える遠回しな言動」の両方の使い方ができる

 

・「皮肉」の非難は、本人が意図して発言する時だけに使う

 

・「嫌み」は、本人が意図していなくても周囲から「嫌み」だと受け取られる場合がある

 

・「嫌味」は、発言だけでなく行いも意味に含まれる

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